普通の中小企業と上場企業との決算書で大きな違いがあることをご存知ですか。それは、上場会社は、キャッシュフロー計算書をいう決算書を作成していることです。

キャッシュフロー計算書とは、何ぞやなんですが、企業の1事業年度の現金預金の動きを表す決算書です。具体的には、会社のお金のながれを、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つに区分し、お金がどんな要因で出て行ったのか、もしくは入ってきたのかが記載されています。

このキャッシュフロー計算は日本では2000年から上場会社を中心に導入されるようになりました。諸外国では1980年代からあったので、日本はかなり遅れて導入されたわけです。

さて、このキャッシュフロー計算書が重要視されているのは、会社の安全性の評価を客観的に表すものだからです。損益計算書は各社の会計方針などの影響により黒字になったり赤字になったりすることもありますが、キャッシュフローは現金などが無いものは無いと表されるからです。本業でお金を稼いでいない場合は、当然に営業キャッシュフローがマイナスになります。

これが長く続けば、借入を行うとか、資産を売却するとかして現金を作らないと企業経営が立ち行かなくなります。いわゆる黒字倒産という事態も起こりえます。

自社の営業キャッシュフローは毎期どれくらいプラスになっているのかを知ることは、会社が安全であるかどうかを判断するのみでなく、設備投資をどれくらいの規模ですることが可能であるかとか、業容拡大のための借り入れをどれくらいの期間でいくらするかとかを決める時の重要な情報になると考えます。

皆さんも一度会社のキャッシュフロー計算書を作成されてみてはいかがですか。
キャッシュフローって?